台風・大雨のあと、空き家で確認しておきたい5つのポイント

今年は、台風の話をすることが本当に多い年です。
8月には10個の台風が発生しました。1か月に10個というのは1966年以来60年ぶりで、過去最多に並ぶ数だそうです。
9月に入り、これからも台風や大雨が気になる時期が続きます。
台風が近づくと、
「雨戸を閉める」
「庭の飛びそうな物を片付ける」
「植木鉢を家の中に入れる」
など、来る前の対策はよく耳にします。
ただ、空き家の場合、私がもう一つ気になるのが台風が過ぎたあとです。
人が住んでいる家なら、雨漏りがすれば気付きます。庭木が倒れたり、雨どいが外れたりしても、おそらくその日のうちに分かるでしょう。
ところが空き家は、誰も気付いてくれません。
台風が過ぎて一週間、二週間と経ってから見に行き、「こんなことになっていたのか」と初めて分かることもあります。
特に相続した実家など、ご自身が遠方に住んでいる空き家は、台風のたびに確認へ行くのも大変です。
今回は、台風や大雨が過ぎたあと、空き家を見に行ったときに私ならどこを確認するのか。
難しい点検ではなく、ご自身でも確認できる5つのポイントをお話しします。
台風が過ぎたあとこそ、空き家は一度見ておきたい
台風が過ぎて、自宅に特に被害がなければ「今回は大丈夫だった」と思います。
でも、自宅が大丈夫だったからといって、離れた場所にある実家や空き家も同じとは限りません。
風の当たり方も違えば、雨の降り込み方も違います。
また、建物の築年数や状態によっても違います。
わざわざ専門業者を呼んで毎回点検する必要まではないと思いますが、台風やまとまった大雨のあとには、一度現地を見ておくと安心です。
そのとき、建物の中だけではなく、外も含めて確認してほしいところがあります。
① 雨漏りは「天井」だけを見ない
天井・壁・窓まわりを確認する

雨漏りというと、天井からポタポタ水が落ちてくる様子を想像するかもしれません。
でも、そこまで分かりやすい雨漏りばかりではありません。
天井に今までなかったシミができていないか。
壁紙が変色したり、浮いたりしていないか。
窓枠やサッシの下に水が流れた跡がないか。
床が濡れていないか。
部屋に入ったときに、いつもと違う湿った臭いやカビ臭さを感じないか。
こうしたところも見てみてください。
普段から空き家を見ている方なら、「前はこんなシミなかったよな」と気付くことがあります。
写真を撮っておくと、次に見に行ったときにも比べやすくなります。
雨が止んでから気付くこともある
台風が通過して晴れたからといって、建物の中まで問題がないとは限りません。
屋根や外壁などから入った雨水が、時間をかけて室内側に出てくることもあります。
また、雨漏りは毎回同じように起きるとは限りません。
風向きや雨の強さによって、普段は何ともない場所から雨が入ることもあります。
「雨が止んだから大丈夫」ではなく、室内を一回りして、いつもと違うところがないかを見る。
まずはそれで十分だと思います。
② 雨どい・屋根・外壁は少し離れて見る
雨どいの外れや詰まり

次は建物の外です。
まず見てほしいのが雨どいです。
強い風で雨どいがずれたり、一部が外れたりすることがあります。
落ち葉や枝などが詰まっていることもあります。
雨どいがうまく機能しなくなると、本来流れるはずの雨水が外壁を伝ったり、建物の足元へ大量に落ちたりします。
台風のあとに庭へ出たら、建物の周りを一周してみてください。
いつもと違うところがないかを見るだけでも、気付くことがあります。
屋根材・外壁などに変化がないか
屋根も気になるところですが、確認するために屋根へ上る必要はありません。
むしろ、ご自身で上るのはやめた方がいいでしょう。
敷地や道路など安全な場所から少し離れて建物全体を見ると、屋根材がずれていたり、何かが浮いていたりするのが分かる場合があります。
外壁も同じです。
大きなひび割れや剥がれ、何かがぶつかったような跡がないか。
細かく点検するというより、まずは「台風の前と何か変わっていないか」という見方でいいと思います。
気になるところがあれば、無理に自分で確認せず、専門業者に見てもらってください。
③ 庭・塀・フェンス・飛来物も忘れずに
庭木や枝が隣地・道路へ出ていないか

空き家を確認するとき、どうしても建物ばかりに目が行きます。
でも、台風のあとは庭や敷地の周りも見ておきたいところです。
庭木の枝が折れていないか。
植木が傾いていないか。
枝や葉が道路や隣の敷地へ飛んでいないか。
反対に、どこからか飛んできた物が自分の敷地に落ちていることもあります。
特に夏から秋は、ただでさえ庭木や雑草が伸びる時期です。
そこへ強風や大雨が加わると、普段とはかなり様子が変わることがあります。
塀やフェンスに傾きがないか
ブロック塀やフェンス、門扉なども一緒に見ておきましょう。
見た目では倒れていなくても、以前より傾いていたり、ぐらついていたりすることがあります。
道路沿いや隣地との境にあるものは、特に注意したいところです。
もし倒れれば、自分の敷地の中だけの問題では済まないことがあります。
空き家の場合、所有者が知らないうちに近所の方が先に異変に気付くこともあります。
台風のあとに現地へ行ったら、建物を見るだけで帰らず、最後に敷地の周りを一周する。
私はこれをおすすめします。
④ 床下や敷地の水はけにも目を向ける
水たまりや泥の跡が残っていないか

大雨のあとなら、雨漏りだけではなく、敷地に水がどう流れたのかも見てみてください。
普段は水がたまらない場所に大きな水たまりができていないか。
建物の基礎付近に泥や枯れ葉がたまっていないか。
敷地に雨水が流れ込んだような跡がないか。
大雨の最中に現地を見ていなくても、泥やゴミの残り方を見ると、水がどこまで来たのか分かることがあります。
特に土地が道路より低い家や、近くに水路がある家などは、一度見ておきたいところです。
普段と違う湿気や臭いがないか
室内へ入ったときの湿気や臭いも一つの目安になります。
いつもより床が湿っぽい。
カビのような臭いが強くなった。
床下収納を開けたら湿気を感じる。
そうした変化があれば、どこかに水が入っていないか気になります。
ただし、床下へ自分で潜って確認する必要はありません。
見える範囲で十分です。
無理をして原因まで探そうとするのではなく、「いつもと違う」と感じたら、必要に応じて専門業者へ相談する方が安全です。
⑤ 電気・水道・室内設備に異常がないか
停電や漏電の形跡はないか

室内では電気関係も確認しておきたいところです。
ブレーカーが落ちていないか。
冷蔵庫など通電させている設備が止まっていないか。
電気設備の周辺に水が入った跡がないか。
ただし、浸水した形跡がある場合や、コンセント・分電盤の周辺が濡れている場合には、むやみに触らないでください。
「とりあえずブレーカーを上げてみよう」と自分で判断せず、電気工事業者などに確認してもらう方が安心です。
水道や排水にも変化がないか
水道を止めていない空き家であれば、漏水していないかも確認しておきたいところです。
蛇口を開けて水が出るか。
トイレなどに異常がないか。
排水口から強い臭いがしていないか。
外の水道管や給湯器の周辺に異常がないか。
長期間使っていない空き家では、台風とは関係なく排水口の水が減って臭いが上がってくることもあります。
ですから、「全部台風のせいだ」と決めつける必要はありません。
大切なのは、前回見たときと比べて何か変わっていないかです。
「何ともなかった」で終われば、それが一番です
早く気付けば小さな修繕で済むこともある
ここまで5つ挙げましたが、台風のたびに何か被害が起きるわけではありません。
見に行って、
「雨漏りもない。」
「庭も大丈夫。」
「建物も特に変わっていない。」
それなら、それが一番です。
ただ、小さな異常をそのままにしておくと、次の大雨で状態が悪くなることがあります。
雨どいが少し外れている。
窓まわりに少し水が入った跡がある。
庭木が傾いている。
早く分かれば簡単な対応で済んだものが、何か月も気付かずにいることで修繕が大きくなることもあります。
空き家だからこそ、「何か起きてから」ではなく、ときどき様子を見ることが大切だと思います。
遠方の空き家は「見に行けない」が一番困る
相続などで実家を所有していても、ご自身は県外に住んでいるという方は珍しくありません。
台風が来るたびに静岡まで確認に来る。
これは現実的に難しいと思います。
近くにご兄弟や親戚がいればお願いする方法もあります。
それも難しければ、空き家管理を利用する方法もあります。
株式会社エステージでも、空き家の定期的な確認を行っています。
建物の外回りを見たり、室内を換気したり、水道を通水したり、郵便物を確認したりして、現地の様子を写真と一緒にご報告します。
もちろん、ご自身やご家族で管理できるのであれば、それで十分です。
私が一番避けたいと思うのは、
「たぶん大丈夫だろう。」
と、誰も見ないまま時間が過ぎてしまうことです。
まとめ

台風や大雨が過ぎると、どうしても「今回は大きな被害がなくてよかった」で終わりがちです。
住んでいる家なら、それでも何かあれば生活の中で気付くことができます。
空き家は違います。
雨漏りがしていても、雨どいが外れていても、庭木が倒れていても、誰かが見に行くまで分かりません。
今回ご紹介した、
「室内の雨漏り」
「屋根・雨どい・外壁」
「庭・塀・フェンス」
「敷地の水はけや湿気」
「電気・水道」
この5つを、台風やまとまった大雨のあとに一度確認してみてください。
専門的な点検をする必要はありません。
いつもの家と比べて、「何か変わっていないか」を見る。
それだけでも十分です。
そして、何もなければ安心できます。
もし異常が見つかれば、早めに対応できます。
空き家で怖いのは、台風が来ることだけではなく、何か起きていても長い間誰も気付かないことだと私は思っています。
これから秋にかけても、台風や大雨が気になる時期は続きます。
ご自身で見に行ける方は、天候が落ち着いて安全を確認してから、一度実家や空き家の様子を見てみてください。
遠方にお住まいだったり、なかなか現地へ行けなかったりする場合には、株式会社エステージでも空き家管理のご相談をお受けしています。
売却するかどうかは、まだ決めていなくても構いません。
大切な家をこの先どうするか考えている間も、家の時間は止まってくれません。
まずは今の状態を知っておくこと。
空き家を長く良い状態で保つためにも、そこは大切にしていただきたいと思います。

