不動産売却
2025年05月10日

近隣トラブルがある不動産の売却方法と注意点|ケース別で告知義務の必要性も解説

近隣トラブルがある不動産をお持ちの方は、近隣トラブルがある状態で不動産を売却できるのか、告知しないまま売却しても良いのか、悩んでいる方も多いでしょう。

結論から申し上げますと、近隣トラブルがある不動産でも売却は可能ですが、事前に告知をしてから売却しないと、さらにトラブルへ発展する可能性があるため要注意です。

そこで今回は、近隣トラブルがある不動産を売却する方法や、売却時の注意点、ケース別で告知義務の必要性などを解説します。

近隣トラブルがある不動産は売却可能?

極論を言うと、不動産は近隣トラブルを解決しなくても売却できます。ただし、わざわざ近隣トラブルが起きている不動産を買いたいと思う人は少ないので、近隣トラブルがある不動産は、売却前にトラブルを解決しておくほうがおすすめです。

近隣トラブルの解決法

近隣トラブルを自力で解決するのは、ほぼ不可能です。そのため、近隣トラブルは以下の方法で解決しましょう。

■近隣トラブルの解決法
 犯罪行為:警察や弁護士に相談する
 マンションやアパートの隣人問題:管理会社に相談する
 ゴミトラブル:自治体や市区町村の役場に相談する
 境界線トラブル:土地家屋調査士に相談する

近隣トラブルが起きたら警察へ相談すると考えがちですが、警察は民事不介入なので、犯罪性がないと動いてくれません。そのため、「用もないのにインターホンを鳴らしてくる」「理不尽に怒鳴ってくる」「敷地内に物を投げ入れてくる」などのトラブルがある場合のみ、警察へ相談しましょう。

警察が動いてくれない場合、弁護士に依頼をすると約10万円の費用はかかりますが、解決までサポートしてくれます。

アパートやマンションに住んでいる方は、管理会社に相談しましょう。管理会社に相談をすると、匿名で隣人へ注意をしてくれます。

また、ごみ屋敷などのゴミトラブルは、その地域を管轄している自治体や市区町村の役場へ相談してみましょう。

そして、境界線で隣人トラブルが起きている場合は、所有地を確定させるため土地家屋調査士に測定を依頼する方法がおすすめです。専門家が間に入れば、境界線でトラブルを起こす心配もなくなります。

近隣トラブル未解決のまま売却するデメリット

隣人と関わりたくないからといって、近隣トラブルを解決しないまま売却に踏み切ってしまうと、以下のようなデメリットがあります。

■近隣トラブル未解決のまま売却するデメリット
 売却価格の減額交渉を持ち掛けられやすい
 損害賠償を請求される可能性がある
 売却まで時間がかかりやすい

近隣トラブルが起きている不動産は、一般的な不動産より価値が低いと判断されるため、買主から減額交渉を持ち掛けられやすいです。減額には目安がないので、大幅に減額される可能性もあります。

また、近隣トラブルは「環境的瑕疵」にあたるため、瑕疵がある状態で売却すると、買主から契約不適合責任を問われ、損害賠償を請求される可能性も高いです。

さらに、近隣トラブルが起きている不動産は需要が低いことから、売却まで時間がかかる点もデメリットです。売却できたとしても、上記のようなトラブルが起きやすいので、近隣トラブルが起きている不動産は、売却前にトラブルを解決しておきましょう。

近隣トラブルがある不動産は売却前に原則告知が必要

近隣トラブルがある不動産は、トラブルを解決できないまま売却すると、上記で解説したようなトラブルを買主との間で起こしやすいです。そのため、近隣トラブルがある不動産を売却したい場合は、仲介を依頼する不動産会社へトラブルがあった旨を告知する必要があります。

ただし、トラブルの内容や現状によっては必ずしも告知をする必要はありません。

ここでは、告知義務が必要なケースと不要なケースをご紹介しましょう。

告知義務が必要なケース

以下のようなケースは、売却前に告知義務が発生します。

■告知義務が必要なケース
 マンションやアパートの規約を違反している隣人がいる場合
 執拗に文句を言ってくる隣人がいる場合
 隣人が反社会的勢力に関係する人物の場合
 境界線でもめている隣人がいる場合

このような不動産は買主が安心して生活できないので、事前に告知をしなければなりません。

告知義務が不要なケース

以下のようなケースは、売却前の告知義務はありません。

■告知義務が不要なケース
 生活音の騒音トラブルが起きている場合
 過去に隣人トラブルが起きていたが、現在は解決している場合

生活音の騒音トラブルは、人によって騒音と感じる具合が異なります。そのため、必ずしも告知する必要はありません。ただし、あとから指摘される可能性もあるので、不安な場合は不動産会社へ隣人の生活音が気になる旨を相談しておくと安心です。

また、過去に起きた隣人トラブルが現状解決している場合も、告知する義務はありません。

ただし、買主によっては過去の隣人トラブルでも気になる場合があるため、あとからトラブルにならないためにも、不動産会社へ過去のトラブル内容は伝えておいたほうが無難でしょう。

近隣トラブルがある不動産の売却方法

近隣トラブルがある不動産は、以下の流れで売却するのがおすすめです。

■近隣トラブルがある不動産の売却方法
1. 近隣トラブルを解決する
2. 不動産会社に売却相談や査定を依頼する
3. 不動産会社と媒介契約を結ぶ
4. 販売活動が行われる
5. 買主と交渉し、売買契約を結ぶ
6. 不動産の引き渡しと売却代金の決済を完結させる

ただし、告知義務が発生するような近隣トラブルを抱えている場合は、不動産会社に依頼をしても買手が見つからない可能性があります。その場合は、買取業者に依頼をし、業者に不動産を買い取ってもらう方法がおすすめです。

ただし、買取業者に依頼をすると、不動産の売却価格が相場より6~8割安くなってしまう点に注意をしましょう。

なるべく高額で売却する方法

告知義務が発生するような近隣トラブルを抱えている不動産をなるべく高額で売却したい場合は、以下のような買取業者を選びましょう。

近隣トラブルに理解のある買取業者

近隣トラブルに理解のある買取業者は、類似物件を高値で売却する知識を持っているので、告知義務が発生するような不動産であっても高値で買い取ってくれる可能性が高いです。

近隣トラブルに理解があるかどうかは、買取業者のホームページで買取実績を確認してみましょう。

地域密着型の買取業者

地域密着型の買取業者であれば、周辺地域のニーズを理解しているため、告知義務が発生するような不動産でも高値で売却する知識を持っています。そのため、近隣トラブルが起きている不動産でも高値で買い取ってもらいやすいです。

まとめ

近隣トラブルが起きている不動産は、トラブルを解決しなくても売却できますが、売却価格は相場より大幅に安くなり、買手も見つかりにくいです。また、買手が見つかってもあとから損害賠償や契約解除を言い渡される可能性があるため、該当する不動産を売却したい場合は、事前に近隣トラブルを解決しておきましょう。

生活音の騒音トラブルが起きている場合や、過去に近隣トラブルがあった場合は、不動産会社に告知する義務はありません。ただし、場合によっては告知しなかった件で新たにトラブルが生まれる可能性もあるので、近隣トラブルが一度でも起きた場合は、売却前に不動産会社へ告知しておきましょう。

「株式会社エステージ」は、静岡市周辺で不動産に関するスペシャリストです。不動産売却から買取、査定、空き家管理まで幅広く対応しており、今回のような不動産売却に伴う近隣トラブルもお客様に寄り添った対応を心がけています。皆様のご相談をお待ちしております。